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「犯罪の専門家の見地からすると、」シャーロック・ホームズ氏は言った、「故モリアーティ教授が死 んでからロンドンは極めておもしろくない街になってしまった。」
 「多くの善良な市民の賛同を得られるとはとても思えないな」と私は答えた。
 「やれやれ、わがまま言ってはいけないね」と彼は、微笑み、椅子を押しやって朝食のテーブルから離れ ながら言った。「社会は間違いなく受益者であり、損をした者はいない、仕事がなくなってしまった哀れ な失業中の専門家を除けばね。あの男の活動中には朝刊が無限の可能性を提供してくれたものだ。たいて いそれはごく小さな痕跡だけだったがね、ワトソン、ごくかすかな兆候といえども、そこに偉大なる 邪悪な頭脳の存在することを僕に告げるに充分であり、それは巣の縁のごく穏やかな震えがその中央に 汚らわしいクモの潜むことを気づかせるようなものだ。けちな盗み、気まぐれな襲撃、無意味な乱暴--手 がかりを握るものにすればすべてが一貫した一つの統一体を成していたのだ。高等犯罪の世界を科学的に 研究する者に当時のロンドンはヨーロッパのどの首都も持ち合わせない利点を提供してくれた。ところが 今や----」彼は肩をすくめ、彼自身が大いに貢献して生み出した事態に対してユーモアをこめて非 難を表した。
 
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2011.12.12 赤毛連盟
昨年の秋のある日、友人のシャーロック・ホームズ君を訪ねると、彼は非常に太った赤ら顔の年配の 紳士、燃えるような赤い髪の紳士と話しこんでいた。私が邪魔を詫びて退出しかけると、ホームズはいき なり私を部屋へ引き入れ、私の後ろにドアを閉めたのである。
 「まったくいい時に来てくれたよ、ワトソン君」と彼は気持ちよく言った。
 「仕事中かと思って。」
 「そうだよ。まさにその通りだ。」
 「それなら私は隣室で待っててもいいんだ。」
 「とんでもない。この紳士はね、ウィルソンさん、僕が大成功を収めた事件の多くで仲間であり、助手 を務めてくれてまして、きっとあなたの事件でも非常に僕の助けになると思います。」
 
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